ネットワークエンジニアの備忘録

トラブルや気になった点をメモしておきます。

STPのBLKポートについて

【STPのポート選出】

BridgePriorityはRootBridge選出のために利用される値です。

BLKポートが選出されるスイッチは、RootBridgeまでのコスト比較で選出され、

BridgePriorityは基本的に関係ありません。

BLKポートは選出されたスイッチの最大コストインターフェースが選ばれます。

STPコストは明示的に指定するか、インターフェース速度から計算されます。

#デフォルトコストはLAGを組むことで変化するため、注意してください。

また、RootBridgeまでの距離(STPコスト)は出力インターフェースの累積です。

 

 ○ stp default cost

項番 リンク速度 コスト 備考
1 10G 2  
2 1G 4 LAG構成時は3
3 100M 19 LAG構成時は12
4 10M 100  


 

たとえば以下のような構成の場合、BLKポートに選出されるのはSW5のGi0/1です。

これは、RootBridgeのSW1を除いたSW2~4の最小コストが、SW5の最小コストである

23以下のため、BLKポートはSW5の最大コストを持つGi0/1となります。

 

○コスト計算例(1)

項番 スイッチ ポート ルートブリッジまでの距離
(合計コスト)
備考
1
SW1
Gi0/0 0 RootBridgeのため0
2 Gi0/1 0 RootBridgeのため0
3
SW2
Gi0/0 3  
4 Gi0/1 46  
5
SW3
Gi0/0 4  
6 Gi0/1 45  
7
SW4
Gi0/0 7  
8 Gi0/1 42  
9
SW5
Gi0/0 23  
10 Gi0/1 26 BLKポート

 

しかしこのようなデフォルトコストでは計算が煩雑になり、障害時の経路計算が面倒なため、明示的にコストを設定することを推奨します。

 

以下のコマンドで50/100/500のような計算しやすいコストを設定することで

コスト計算が容易になります。

Switch(config-if)# spanning-tree vlan <vlan-id> cost <cost>

 

以下の例でもRootBridgeのSW1を除いたSW2~4の最小コストが、SW5の最小コストで

ある300以下のため、BLKポートはSW5の最大コストを持つGi0/1となります。


○コスト計算例(2) 

項番 スイッチ ポート ルートブリッジまでの距離
(合計コスト)
備考
1
SW1
Gi0/0 0 RootBridgeのため0
2 Gi0/1 0 RootBridgeのため0
3
SW2
Gi0/0 50  
4 Gi0/1 600  
5
SW3
Gi0/0 100  
6 Gi0/1 550  
7
SW4
Gi0/0 150  
8 Gi0/1 500  
9
SW5
Gi0/0 300  
10 Gi0/1 350 BLKポート