ネットワークエンジニアの備忘録

トラブルや気になった点をメモしておきます。

WPA3(Wi-Fi Protected Access 3)が正式発表

米国時間の6/25にWPA3が正式発表されました。WPA3でもWPA2以前と同様に家庭向けの「WPA3-Personal」と、企業・組織向けの「WPA3-Enterprise」が存在します。

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WPA3-Personalはパスワードベースの認証のため、おそらくPSK相当のものであると思われます。WPA3-Enterpriseは802.1x認証がベースになると思われます。WPA3はセキュアになりますが、いまだソフトウェアアップデートだけで対応出来るか不透明です、さらにTLS1.3同様にソフトウェアで対応してもハードウェアが専用品でないとスループットが出ない恐れがあるため、ハードウェアレベルでの対応製品の購入が必須になってくると思われます。

また、無線LANの接続を簡易化する「Wi-Fi Easy Connect」も発表されています。

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これは主にディスプレイを持たないIoTデバイス向けで、スマートフォンなどでQRコードを読み込むだけで読み込んだ機器が設定用デバイスとなり、そこに複数のIoTデバイスを登録することで無線LANへ接続させることが出来るそうです。これは非常に便利だなと思いました。

さらに、公衆無線LANにありがちなパスワードが未設定や共通キーが公開されており、盗聴のリスクが高いWiFiをセキュアにする「Wi-Fi CERTIFIED Enhanced Open」が発表されています。

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この技術は無線LANの管理フレームを暗号化する802.11w(PMF)やOWE(Opportunistic Wireless Encryption(RFC8110))を使用することで、認証無しで通信の暗号化を可能にしてくれます。ただし、OWEを使用するには今まで以上にAPの負荷が増えるため、通常のPSKに比べてAPのスペックを考慮する必要があります。また、中間者攻撃には無力のため、中間者攻撃対策は別途考慮が必要です。