ネットワークエンジニアの備忘録

トラブルや気になった点をメモしておきます。

WLC HA構成(SSO)のバージョンアップ手順

HA(SSO)構成を組んだ状態でバージョンアップ作業を行ったので、作業の備忘録を残しておきます。

基本的なバージョンアップ手順はシングル構成と変わらず、プライマリ機にアップロードすると自動的にセカンダリ機に転送されます。

GUIの場合、「Download File」を押下し、各パラメータを指定します。

#検証時の環境ではプライマリ機のアップロードに約5分ほどかかりました。

  • File Type:「Code」
  • Transfer Mode:「TFTP」
  • IP Adress:「TFTPサーバのIP」
  • File Path:「/」
  • File name:「アップロードするOSファイル名」

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各パラメータ投入後、右上の「Download」を押下するとプライマリ機にアップロードが開始します。アップロード完了後、セカンダリ機に転送が始まります。ここまでは通信断も起きませんでしたが、セカンダリ機に転送中はWiFiクライアント端末からのPingが不定期に重くなり、それまで4~6ms以内だったものが500ms程度になることがありました。アップロードでは明確な通信断は発生しませんでしたが、クライアントに負荷をかけることが許容されない場合は作業時間を検討する必要があります。

セカンダリ機への転送が完了後、転送が完了したメッセージが同一ページ下部に表示されるため、「Config Boot」を押下し、アップロードしたOSが「default」となっていることを確認し、両WLCを再起動をします。ここから通信断が発生します、再起動はWLC,APそれぞれ約5分程度の合計約10分です。

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再起動完了後、APが再帰属して新OSを取得して再起動後、通信が復旧します。WLC5000シリーズでは6.0以降から同時に100APアップグレード可能だそうです。

結果的に明確な通信断が発生したのはWLCの再起動で約5分、その後APの再起動で約5分の10分程度でした。また、全体の作業時間はtftpによるアップロードが約5分、セカンダリ機に転送が約10分で合計約25分~程度となりました。

今回の検証環境ではAPの台数が1台でかつWLC、AP、tftpサーバが同一セグメントの環境だったため、帯域やAP台数でもう少しバッファを見込んだほうが良いと思います。