ネットワークエンジニアの備忘録

トラブルや気になった点をメモしておきます。

Palo Alto User-ID機能の注意点

Palo AltoのUser-ID機能はActive Directoryと連携することでユーザ単位の通信制御を実現することが出来ます。本機能の大前提として、1 ユーザ = 1 IPアドレスでの利用となります。これはPalo AltoではIPアドレス単位で通信制御を行うためです。

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実際の動きとしては、まずPan-Agentが連携するADサーバの監視ログからIPアドレスとユーザIDの対応テーブル(user_ip_map.txt)を作成します。その後、Palo Alto本体はuser_ip_map.txtを元にuser_ip_mapを作成します。つまりADサーバに監視ログの登録設定がされていないと動作しません。

Palo Altoに正しくユーザを識別させるため、以下のポリシーを遵守します。

  • 同一ドメインのサーバにアクセスする場合、同一のユーザでアクセスする
  • 複数ユーザの同時ログインを禁止する
  • ローカルアカウントでログインさせない

ローカルアカウントでログインされた場合、IPアドレス通信制御を紐付けているため、Palo Altoでログオフ検知が出来ないとログオフ前のポリシーが適用されてしまい、結果的になりすましによる権限昇格を許してしまいます。ADサーバの監視ログからログオフを追跡することは出来ないため、Pan-AgentではNetBios/WMIプローブによるログオフ監視機能を保有しています。この機能を使ってuser_ip_mapからIPアドレスを参照し、該当IPアドレスにプローブを送ることでユーザのログインを確認することが出来ます。つまり端末側にNetBios/WMIプローブが許可されている必要があります。許容出来ない端末に関してはuser_ip_map.txtのタイムアウトタイマー(デフォルト45分)を最適化する必要があります。