ネットワークエンジニアの備忘録

トラブルや気になった点をメモしておきます。

STP使用時のVLAN制限について

STPはBPDUを使用してループ防止を実現します。BPDUはCPU処理を行いSTPの状態管理を行いますが、VLAN数に比例してCPU負荷は上昇します。そのため、STP使用時にはVLAN数に制限値が存在します。その値はSTPインスタンスです。

#厳密にはSTPを使用しない場合でも、本制限を越えないほうが望ましいです。

STPインスタンスは以下の計算式で算出します。

VLANトランクで許可されているVLAN数 × VLANトランクポート数 + VLANアクセスポート数 + SVI数

 1つのtrunkポートで3つのvlanを許可し、5つのaccess portがあれば、STPインスタンスは8個になります。

 

STPインスタンス数の上限は機種によって異なります、大量のVLANを設定する必要がある場合、VLAN上限値とは別に、STPインスタンスの上限値が問題にならないか検討が必要です。さらに、古い機種や小規模向けのスイッチでは制限値より少ない値でメモリ異常が発生する場合があります。

特にSTPを使用する場合はメモリとCPU使用率に注意しながら設計して下さい。また、STPでパス計算するVLAN数が多い場合は、MSTPを使用してCPUリソースの負荷軽減も検討して下さい。