ネットワークエンジニアの備忘録

トラブルや気になった点をメモしておきます。

Cisco WLC冗長の懸念点

一般的なコントローラ型APはすべてのWLC障害時に無線サービスが停止します。無線サービス停止時間はざっくり以下のようになります。

項番 内容 時間
1 優先度の1番高いWLCへ接続確認 30秒毎のポーリング、数秒の再確認
2 次に優先度の高いWLCへ接続確認 数秒~数十秒の繰り返し
3 接続可能なWLCへ帰属 数秒
4 帰属したWLCから設定を受信、無線サービスを開始 数秒

 

CiscoのWLCには複数の冗長構成の組み方があり、組み方によってさまざまなメリット/デメリットがあります。

  SSO スタック HA
AP画登録するWLC 1 1 n(WLCの数)
障害時のダウン時間
WLC 約1秒未満 約1秒未満 約2分
NW 約3秒 約1秒未満 約2分
WLC設定 自動同期 自動同期 個別設定
APライセンス 1セット 1セット 各WLCに1セットずつ
その他 SSO固有問題を考慮 スタック固有問題を考慮 -

 

【HA構成で考慮するべきこと】

  • すべてのWLCが同一バージョンである。
  • MobilityGroupがフルメッシュ接続されている。
  • Radiusを使用する場合、すべてのWLCが登録されている。
  • HA専用型番は系切り替えから90日でライセンス切れを起こすため、90日以内に障害復旧させる。
  • WLCの設定は同期されない。

【スタック構成で考慮するべきこと】

  •  Catalyst3650/3850シリーズはAPを直接接続する必要があるため、完全な冗長構成を組むことは出来ない。 

【SSOで考慮するべきこと】

  • すべてのWLCが同一バージョンである。
  • WLCのサポートバージョンは7.5以上からである。
  • SSO構成は同一セグメント、同拠点で行う必要がある。
  • SSO構成を組むには、0ライセンスのWLC(HA専用機)を用意する必要がある。
  • HA専用型番は系切り替えから90日でライセンス切れを起こすため、90日以内に障害復旧させる。
  • 冗長化リンクのRTT遅延は、keep aliveの80%より短いこと。
  • 冗長化リンクのMTUは1500byte以上であること。
  • 冗長化リンクの帯域幅は60Mbps以上であること。
  • Standby状態のWLCにはGUIではアクセスできず、ログイン経路はコンソールアクセスとなる。
  • SSO構成時、Service Portはサポートされない。
  • Management InterfaceはTagVLANを設定する必要がある。