ネットワークエンジニアの備忘録

トラブルや気になった点をメモしておきます。

Cisco4000 ISRシリーズのパフォーマンス制限について

Cisco4000 ISRシリーズではこれまでのルータとは違い、CPU負荷や回線帯域に余裕があってもパフォーマンス制限値を超えたパケットをドロップしてしまいます。パフォーマンス制限値はインターフェース出力量の総和です。

各型番のパフォーマンス値を以下に記載します。ライセンスを別途購入することで制限を外すことができます。この仕組みが導入されたことによって機器のリプレイスをしなくても性能向上が見込めるため、予算に対して柔軟な製品提供が可能になります。

項番 型番 パフォーマンス(制限有) パフォーマンス(制限無)
1 ISR4221 35Mbps 75Mbps
2 ISR4321 50Mbps 300Mbps
3 ISR4331 100Mbps 400Mbps
4 ISR4351 500Mbps 1Gbps
5 ISR4451-X 1Gbps 2Gbps

 パフォーマンス制限値を超えた場合のドロップパケットは、ルーティングプロトコル管理パケットも対象となるので注意して下さい。

【問題の回避策】

  • パフォーマンスライセンスの有無により変化する制限を考慮した機器選定を行う
  • QoSで優先パケット(ルーティングプロトコルや冗長プロトコル)を指定する

 以下に設定例を記載します。 

指定したアドレスの送信を最優先させる。

class-map match-all C-MAP
match access-group 100
!
policy-map P-MAP
class C-MAP
priority
!
interface gi x/x/x
service-policy output P-MAP
!
access-list 100 permit ip host <ip address> any
指定したプロトコルの送信を最優先させる。

class-map match-any C-MAP
match protocol bgp
match protocol ospf
match protocol eigrp
!
policy-map P-MAP
class C-MAP
priority
!
interface gi x/x/x
service-policy output P-MAP